第3回定例区議会で、日本共産党区議団を代表しての牛尾区議の質問から、今回は、保育問題についてご紹介します。(大要)
区が、財政削減を理由に、次々と区立保育園・幼稚園を廃園にしてきた問題等について次のように区長を質しました。
①廃園した区立保育園の再開を
桑原区政が進めている待機児対策は、民間の保育所型認定こども園の開設です。しかし、これは国の保育制度改悪を先取りし、区の保育に対する責任を後退させるものです。
「子育て新制度」で導入された認定こども園は、児童福祉法が定める認可保育園とは異なり、自治体が直接保育実施義務を果たす施設ではありません。このため、今後、入園は保護者と施設の間の直接契約が原則とされ、自治体は空きのある施設やサービスを調整、あっせんするだけで責任はなくなります。
また、保育に株式会社などの営利企業参入がさらに進められます。結局、自治体の責任を後退させ、保育所探しを保護者の自己責任にし、保育を営利企業の儲けの対象にするもので許されません。
区長は、保育でも効率化を優先させ、子どもを犠牲にして認定こども園を次々と開設する一方で区立桜丘、西原、神宮前、上原保育園を廃止しましたが、来年度の待機児対策として再び、旧西原、神宮前、上原の保育園跡地に認定子ども園の分園を設置する提案を6月の第二回定例会で行ったのです。
保護者や区民、職員の間からは、「区立保育園を廃止する必要は全くなかった」ときびしい批判が出されています。経費削減のための三か所の認定こども園の分園設置はやめ、旧桜丘も含め区立認可保育園として復活すべきと考えます。また、待機児は認可保育園の増設で解消すべきです。
②認定子ども園の保育条件の改善を
区内の認定こども園は、昨年1園、今年はあらたに4園が開設されましたが、すべて民間の施設として設置・運営されています。区立保育園と比べ、延長保育料は数倍、自主事業の一預かりの利用料は1.5~2倍と高くなっているのが実態です。
また、今年の夏は猛暑だったのに、子どもたちのプール遊びは週2回に制限され、給食食材でも区立園ではこぼしたりすることも考慮して多めに作られているのに対して、認定こども園では定量ぎりぎりとなっているなど、水道代や食費まで採算優先の運営がなされているとも聞いています。子どもたちの保育条件に格差を持ち込むことは許されません。
子どもたちの成長を何よりも重視する立場に立って、区が指導して、区立保育園と同等の保育条件を保障すべきです。
③恵比寿認定こども園設置を見直すべき
いま恵比寿地域では区長が強行しようとしている恵比寿公園内への認定子ども園の設置をめぐって住民の怒りと反対の声が広がっています。この計画を知った区民からは、なぜ公園なのかと疑問が出され、とりわけ、小学生の子どものいる保護者からは、子どもたちの貴重な遊び場が狭められてしまう、他の設置場所を探すべきだとの強い意見も出されています。
また、一度設置されれば長期にわたるのではないかとの声も上がっています。地域住民に理解の得られていない恵比寿公園への認定子ども園設置はやめ、恒久施設にふさわしい適地を確保し、認可保育園として開設すべきです。
④区立幼稚園を存続すべき
新橋、氷川、恵比寿地域の待機児は40人なのに、定員119人の恵比寿地域の認定こども園を開設しようとするのはなぜでしょうか。
昨年の3月議会で区長は、臨川、広尾幼稚園について「しかるべき時期には、両園の統合も視野に入れつつ、幼保一元化施設の方法についてもさらに検討を重ね、準備してまいりたい」と答弁しています。
恵比寿地域への認定子ども園の設置を契機に、恵比寿周辺の地域でも幼稚園の廃止を狙っているとすればとんでもないことです。臨川、広尾幼稚園は現在も毎年10人以上の子どもが入園している大切な幼稚園です。
また、区議会は、一昨年の第4回定例会で「渋谷区の区立幼稚園存続を求めるための請願」を採択しているのです。区長は、区立西原幼稚園を存続し、臨川、広尾幼稚園を守ることを明言すべきです。
●4月からの消費税増税中止署名を
「仕入れ値は上がり、客は減っている。いま消費税が増税されたら店をたたむしかない」、
「生活保護費が下げられ食費を削った。この上消費税を増税して、いのちを削れと言うのか」
来年4月からの消費税増税に、地域でも怒りの声が広がっています。
区議会第3回定例会での日本共産党区議団の代表質問で、「このまま消費税を来年4月から8%に、さらに10%に増税すれば国民の負担増は史上空前の13.5兆円となり、国民の購買力を奪い、中小企業の売り上げを減らして景気悪化を招くことは明らかです。
8月に行われた世論調査では、7割を超える国民が「来年4月からの増税に反対」と答えています。大企業の法人税と富裕層の所得税は減税を続けながら、低所得者や中小企業に重い負担となる消費税を増税することは許せません。
区民の暮らしを守る立場に立って、暮らしも経済も財政も壊す、来年四月からの消費税増税を中止するよう国に求めるべき」と指摘し、区長に迫りました。
いま、「4月からの消費税増税の中止を求める署名」が広がっています。消費税増税中止の声を、署名に託して国会へ届けましょう。ぜひ、署名にご協力ください。そして国民の圧倒的な声を結集して、来年4月からの消費税増税を中止させましょう。