多喜二の意志を継ぐ者たち 田中まさやさんの民主文学への投稿文を紹介します。
2008年 11月 23日
田中まさやさんの民主文学への投稿文を紹介します。
---
多喜二の意志を継ぐ者たち
戦前の共産党員作家・小林多喜二の「蟹工船」が若者の間でベストセラーになっているという。私も、高校時代に「蟹工船・党生活者」と出会って以来、懐かしく読み返してみた。
当時は、助けのはずの日本海軍によって弾圧された労働者に心を寄せ、権力への憤りで胸を熱くした覚えがある。いま読み返すと「彼らは立ち上がった。再び」で結ばれているこの一文が、物のような使い捨て労働を強いられながら、団結して立ち上がり、弾圧されてもなお立ち上がる労働者への心の底からの連帯と勝利への確信が刻み込まれていることが痛いほどわかる。
79年前といえば、絶対主義的天皇制が荒れ狂い、労働者や農民が団結して立ち上がることさえ許されなかった時代である。ましてや共産主義思想そのものが弾圧の対象となり、多喜二自身も治安維持法による弾圧と拷問で命を奪われている。
いまも、戦前のように命までは奪われなくとも、同じように働く者や国民が人間らしく生きることを許さない政治がまかり通っている。これに対して、多くの若者が「蟹工船」に惹かれ、自らも団結して悪政に立ち向かうという、もっとも人間らしい生き方を歩もうとしている。私もその一人として、多喜二の果たし得なかった理想を実現するために力を尽くしたい。
2008.11.1
田中 正也
---
多喜二の意志を継ぐ者たち
戦前の共産党員作家・小林多喜二の「蟹工船」が若者の間でベストセラーになっているという。私も、高校時代に「蟹工船・党生活者」と出会って以来、懐かしく読み返してみた。
当時は、助けのはずの日本海軍によって弾圧された労働者に心を寄せ、権力への憤りで胸を熱くした覚えがある。いま読み返すと「彼らは立ち上がった。再び」で結ばれているこの一文が、物のような使い捨て労働を強いられながら、団結して立ち上がり、弾圧されてもなお立ち上がる労働者への心の底からの連帯と勝利への確信が刻み込まれていることが痛いほどわかる。
79年前といえば、絶対主義的天皇制が荒れ狂い、労働者や農民が団結して立ち上がることさえ許されなかった時代である。ましてや共産主義思想そのものが弾圧の対象となり、多喜二自身も治安維持法による弾圧と拷問で命を奪われている。
いまも、戦前のように命までは奪われなくとも、同じように働く者や国民が人間らしく生きることを許さない政治がまかり通っている。これに対して、多くの若者が「蟹工船」に惹かれ、自らも団結して悪政に立ち向かうという、もっとも人間らしい生き方を歩もうとしている。私もその一人として、多喜二の果たし得なかった理想を実現するために力を尽くしたい。
2008.11.1
田中 正也
by tanakamasayan
| 2008-11-23 11:29
| 応援コメント