No.170 第3回定例区議会始まる
2013年 09月 12日
2013年9月12日号
区庁舎耐震化、大争点に──区民不在で公共財産を民間の儲け口
第3回定例区議会が、9月9日から始まりました。初日の本会議では、五十嵐区議が、日本共産党区議団を代表して質問、区政の最大の焦点となってといる「区庁舎耐震化」問題については、区民不在で必要な情報も明らかにしないまま、建替えありきで進める区長の姿勢、住民福祉の向上という区の責任を投げ捨てて、区民の財産を一部の民間事業者のもうけのために切り売りするやりかたについて厳しく追及しました。
以下、庁舎耐震化についての質問の要旨です。
【第一の問題】この間の庁舎の耐震問題について区民にはまったく知らされていない。
庁舎は区民サービスの拠点であり、区民の共有財産です。また公会堂は区民の文化活動の中心的施設として2006年に13億円をかけて耐震補強工事と全面改修をした施設です。この二つの施設を今後どうしていくのか真っ先に区民の意見を聞くべきです。
甲府市では2007年の市長選挙で市庁舎の建て替えについて、市民の審判を仰ぐとともにその後3年間かけて、基本構想、基本計画、基本設計のそれぞれの段階で市民会議の設置やパブリックコメントなど繰り返し行い住民の意見聴取を行っています。
しかし、渋谷区のやり方は、区民に知らせず意見も聞かず、住民代表の議会の承認を得ることを隠れ蓑に建て替えを強行しようとしていることです。
区長は、区民に二つの施設の耐震診断の結果や補強工事と建替えをする場合の工法やそれぞれの経費・資金計画等の情報公開を行い区民説明会の実施など区民参画を保障すべきです。
【第二の問題】区議会に必要な情報提供がされない。
先行実施している自治体の議論や区が提案募集を行った際に事業者に提出を求めた資料について調査をしてみると、議会として耐震補強工事案と民間活力による建て替え案を比較しようとしても、議会に提出されている資料は、工事期間も必要経費も概算のものしかなく、明確な工事期間や資金計画、工事期間中や工事終了後の施設の使い勝手、仮設庁舎を利用する場合の費用や区民サービスのメリット、デメリット、さらに民間活力事業の内容はまったく明らかにされていません。
区が事業者に提出を求めた新総合庁舎等の整備費用および民間活力事業に伴う対価、区の事業収支および全体収支についての収支計画等の資料を直ちに区議会に提出し説明すべきと考えます。
また補強案についても一社の提案だけでなく複数の事業者に提案を求め議会に提出すべきです。
【第三の問題】総合庁舎、公会堂の建て替えに、民間資金を活用すること。
区が採用しようとしている民間資金活用事業(PFI)は、公共施設の建設、維持管理、運営等に民間の資金、経営能力、技術的能力を活用する手法で財政削減の行革路線に基づくものです。
建設政策研究所の調査では、東京都がPFIを活用した原宿警察署等整備事業では、50年間都有地を民間事業者に貸付け、さらに、総床面積の65.5%を民間収益施設がしめており、そこから得られる利益は都に支払う借地料の1.5倍の427億円に上ります。
このように民間資金活用事業は、公共事業の目的を本来の住民の生活や福祉向上から、銀行、デベロッパー、ゼネコンの利益を保障するものに変質させている、と批判しています。
実際、建替え提案では、庁舎・公会堂の建物の高さが最低で40m最高が74m、70年間の借地権を利用して民間事業者が建設する住宅は超高層建築物で最低で120m、最高で181m、借地料は最低で130億円、最高で194億円で区の負担は0から60億円。
正確な比較はできませんが単純に建物の高さだけでみても、民間住宅は庁舎・公会堂の2.5倍から3倍です。
さらに問題なのは、庁舎建設に税金をかけないから良いとする考え方です。
区は、民間資金活用事業を利用することで庁舎、公会堂の建て替え費用は0になると説明していますが、豊島区では計画より50億円の持ち出しになっています。
また、北区は、70年間の長期間借地提供することについて、区民ニーズに柔軟に対応できなくなる、として民間資金活用事業を採用しないことにしたのです。
自治体本来の役割から外れ、民間事業者の利益を優先するとともに様々な問題が指摘されている民間資金活用事業はやめるべきです。
●自治体の心と役割投げ出す区長発言
「地方自治は民主主義の学校」と言われます。それは、住民に最も近い政治だからです。また、自治体の役割は、住民の福祉とくらしの向上にあります。本議会での庁舎耐震化を巡る区長の発言は、地方自治の心も役割も投げ捨てているといわなければなりません。
庁舎の耐震補強案と建替え案について、区民参画を求めた質問に対して、区長は「区民参加はあり得ない」、住民の代表である区議会への情報提供については、「議会が判断してから説明する。資料は出さない」と切り捨てるなど、区民の貴重な財産であり、福祉サービスの拠点である区役所の耐震化の選択について、区民にはまったく説明もせず、情報提供さえ行わないという民主主義否定の驚くべき姿勢です。
さらに、定期借地の相手企業が70年の間に倒産した時の区の責任を質したのに対しては、まともな答弁もできませんでした。これでは、区民に責任を負う区政とは言えません。区長の暴走を止めるために声をあげましょう。
区庁舎耐震化、大争点に──区民不在で公共財産を民間の儲け口
第3回定例区議会が、9月9日から始まりました。初日の本会議では、五十嵐区議が、日本共産党区議団を代表して質問、区政の最大の焦点となってといる「区庁舎耐震化」問題については、区民不在で必要な情報も明らかにしないまま、建替えありきで進める区長の姿勢、住民福祉の向上という区の責任を投げ捨てて、区民の財産を一部の民間事業者のもうけのために切り売りするやりかたについて厳しく追及しました。
以下、庁舎耐震化についての質問の要旨です。
【第一の問題】この間の庁舎の耐震問題について区民にはまったく知らされていない。
庁舎は区民サービスの拠点であり、区民の共有財産です。また公会堂は区民の文化活動の中心的施設として2006年に13億円をかけて耐震補強工事と全面改修をした施設です。この二つの施設を今後どうしていくのか真っ先に区民の意見を聞くべきです。
甲府市では2007年の市長選挙で市庁舎の建て替えについて、市民の審判を仰ぐとともにその後3年間かけて、基本構想、基本計画、基本設計のそれぞれの段階で市民会議の設置やパブリックコメントなど繰り返し行い住民の意見聴取を行っています。
しかし、渋谷区のやり方は、区民に知らせず意見も聞かず、住民代表の議会の承認を得ることを隠れ蓑に建て替えを強行しようとしていることです。
区長は、区民に二つの施設の耐震診断の結果や補強工事と建替えをする場合の工法やそれぞれの経費・資金計画等の情報公開を行い区民説明会の実施など区民参画を保障すべきです。
【第二の問題】区議会に必要な情報提供がされない。
先行実施している自治体の議論や区が提案募集を行った際に事業者に提出を求めた資料について調査をしてみると、議会として耐震補強工事案と民間活力による建て替え案を比較しようとしても、議会に提出されている資料は、工事期間も必要経費も概算のものしかなく、明確な工事期間や資金計画、工事期間中や工事終了後の施設の使い勝手、仮設庁舎を利用する場合の費用や区民サービスのメリット、デメリット、さらに民間活力事業の内容はまったく明らかにされていません。
区が事業者に提出を求めた新総合庁舎等の整備費用および民間活力事業に伴う対価、区の事業収支および全体収支についての収支計画等の資料を直ちに区議会に提出し説明すべきと考えます。
また補強案についても一社の提案だけでなく複数の事業者に提案を求め議会に提出すべきです。
【第三の問題】総合庁舎、公会堂の建て替えに、民間資金を活用すること。
区が採用しようとしている民間資金活用事業(PFI)は、公共施設の建設、維持管理、運営等に民間の資金、経営能力、技術的能力を活用する手法で財政削減の行革路線に基づくものです。
建設政策研究所の調査では、東京都がPFIを活用した原宿警察署等整備事業では、50年間都有地を民間事業者に貸付け、さらに、総床面積の65.5%を民間収益施設がしめており、そこから得られる利益は都に支払う借地料の1.5倍の427億円に上ります。
このように民間資金活用事業は、公共事業の目的を本来の住民の生活や福祉向上から、銀行、デベロッパー、ゼネコンの利益を保障するものに変質させている、と批判しています。
実際、建替え提案では、庁舎・公会堂の建物の高さが最低で40m最高が74m、70年間の借地権を利用して民間事業者が建設する住宅は超高層建築物で最低で120m、最高で181m、借地料は最低で130億円、最高で194億円で区の負担は0から60億円。
正確な比較はできませんが単純に建物の高さだけでみても、民間住宅は庁舎・公会堂の2.5倍から3倍です。
さらに問題なのは、庁舎建設に税金をかけないから良いとする考え方です。
区は、民間資金活用事業を利用することで庁舎、公会堂の建て替え費用は0になると説明していますが、豊島区では計画より50億円の持ち出しになっています。
また、北区は、70年間の長期間借地提供することについて、区民ニーズに柔軟に対応できなくなる、として民間資金活用事業を採用しないことにしたのです。
自治体本来の役割から外れ、民間事業者の利益を優先するとともに様々な問題が指摘されている民間資金活用事業はやめるべきです。
●自治体の心と役割投げ出す区長発言
「地方自治は民主主義の学校」と言われます。それは、住民に最も近い政治だからです。また、自治体の役割は、住民の福祉とくらしの向上にあります。本議会での庁舎耐震化を巡る区長の発言は、地方自治の心も役割も投げ捨てているといわなければなりません。
庁舎の耐震補強案と建替え案について、区民参画を求めた質問に対して、区長は「区民参加はあり得ない」、住民の代表である区議会への情報提供については、「議会が判断してから説明する。資料は出さない」と切り捨てるなど、区民の貴重な財産であり、福祉サービスの拠点である区役所の耐震化の選択について、区民にはまったく説明もせず、情報提供さえ行わないという民主主義否定の驚くべき姿勢です。
さらに、定期借地の相手企業が70年の間に倒産した時の区の責任を質したのに対しては、まともな答弁もできませんでした。これでは、区民に責任を負う区政とは言えません。区長の暴走を止めるために声をあげましょう。
by tanakamasayan
| 2013-09-12 00:00
| 田中まさや区政リポート