No.142 首都直下型地震対策へ~都が木密地域対策発表──区独自の耐震・不燃化対策は急務
2013年 01月 25日
2013年1月25日号
「耐震診断をしたら補強が必要だといわれたが、区の助成を受けても自己負担分が払えないので断念した」、「隣が空き家で、老朽化していていつ倒れるかわからない。何とかならないか」との声が相次いで寄せられています。
「空き家」の場合の区の対応は、「所有者へ対応をお願いする」だけで、それ以上のことはできません。また、所有者に働きかけても、多くが「耐震改修の費用も、解体費用も捻出できない」との答えが圧倒的です。
東京都が作成した「総合危険度」(建物倒壊危険度と火災危険度の各々の順位を合算し、5段階にランク分けを行ったもの/2001年 第6回調査)では、本町5丁目が「危険度5」で65位、幡ヶ谷3丁目が「危険度4」で85位と上位100位に2つの丁目が入っています。
また、同じく都が公表した「地域別延焼危険度測定」(震災時に発生した火災が燃え広がる危険性を地域ごとに評価。0~9にランク分け/2012年 第8回調査)では、区内の41%の丁目が「延焼危険度4」以上。本町の2丁目、4~6丁目、幡ヶ谷3丁目は、「延焼危険度」・「消失危険度」とも「6ランク」となっており、耐震化・不燃化は待ったなしです。
●区独自で耐震対策強化
都は今年、「木密地域不燃化10年プロジェクト」として「不燃化推進特定整備地区(不燃化特区)制度(案)」を策定しました。しかし、木造住宅密集地域の耐震・不燃化対策予算182億円のうち約130億円は、住民を追い出して道路を通すための関連予算です。しかも最も重要な木造住宅の耐震化・不燃化・難燃化への助成の対象地域や助成額の拡充、新たな適用が不燃化特区にかぎられていることは、見すごすことができない問題です。また、このなかで、木造住宅耐震化助成は、わずか6億円にとどまっています。都の耐震対策を抜本的に強化する必要があります。
同時に、区としても独自に耐震化・不燃化を進めることは待ったなしです。
足立区では、独自に「不燃化地域」を指定し、老朽空き家の除去に対して、100万円を助成しています。
渋谷区でも、細かく「耐震化・不燃化地域」を指定し、耐震補強工事費助成の大幅拡充や老朽空き家除去費用助成制度などを実現して、お金がなくて耐震化が進まない事態を一刻も早く解決すべきです。
***
東京都木密地域不燃化10年プロジェクト
「不燃化推進特定整備地区(不燃化特区)制度(案)」概要
<概要>
●基本方針
「特に改善を必要とする地区について」、「都が不燃化特区に指定し特別な支援を行う」。「平成32(2020)年までに整備地域の不燃化領域率を平均70%に引き上げ」る。
●不燃化特区の指定要件
1. 整備地域(面積要件の緩和)
整備地域に含まれる木密地域(町丁目単位)を最低単位として面積要件を設けない。地域危険度4以上又は不燃化領域率がおおむね60%未満の区域を目安とする。
2. 特定整備道路の沿道おおむね30mの範囲(延焼遮断の形成)
延焼遮断帯の形成に必要な特定整備路線の沿道おおむね30mの合理的な範囲とする。
3. 新たな防火規制以上の規制誘導
東京都建築安全条例に基づく「新たな防火規制」以上を導入していること又は導入のための手続きを進めていること。
※以上の(1又は2)の区域で、3の取り組みを行うことが必要
●都が講じる支援策(抜粋)
<基本的考え方>
①未接道地を種地とするなどの地域整備の仕組みづくりとして、「まちづくりの種地として未接道地を取得し、周辺住民を巻き込み安全な街へ」、②住民が抱える課題を解決し、不燃化へ踏み出せる環境づくりとして、「専門家による生活再建プランの提示、建替え助成の拡充による住民負担の軽減」
<支援項目>※不燃化特区内についてだけ適用
◉「まちづくりコンサルタント派遣」、「全戸訪問で住民のニーズ調査」、「専門家派遣で、権利関係を調整」、「まちづくりステーションの設置」など
◉「未接道敷地の先行取得支援」(区が取得する際の支援)」、「固定資産税・都市計画税の優遇」(建て替えについて)、「共同化建替え助成の要件緩和」、「戸建建替えの際の設計費助成」、「住民負担のない除去助成」(老朽建託物の除去費の全額助成)、etc.
***
●社会保障改悪阻止へ総反撃を
麻生太郎副総理が、21日に開かれた政府の社会保障制度改革国民会議で、高齢者の終末期の高額医療費を問題にして「政府のお金でやってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、色々考えないと解決しない」との暴言に批判の声が広がっています。政府がその会議で打ち出したのが、4月からの生活保護の切り捨て、来年の介護保険の大改悪です。
渋谷区でも生活保護世帯の48%は高齢者世帯です。生活保護の改悪は、真面目に保険料を払い続けても月5万円程度にしかならない低年金に苦しむ高齢者や働きたくても働き口のない方の「命綱」を断ち切ることになります。介護保険の改悪は、利用したくても利用できない介護難民を拡大することになります。いずれも高齢者の尊厳を奪い、憲法25条の生存権を脅かすもので絶対に許されるものではありません。
「長寿を祝える社会」。だれもが考える当たり前ことですが、自公政権や麻生氏には、当たり前ではないようです。社会保障改悪に総反撃をして「当たり前」を取り戻しましょう。
「耐震診断をしたら補強が必要だといわれたが、区の助成を受けても自己負担分が払えないので断念した」、「隣が空き家で、老朽化していていつ倒れるかわからない。何とかならないか」との声が相次いで寄せられています。
「空き家」の場合の区の対応は、「所有者へ対応をお願いする」だけで、それ以上のことはできません。また、所有者に働きかけても、多くが「耐震改修の費用も、解体費用も捻出できない」との答えが圧倒的です。
東京都が作成した「総合危険度」(建物倒壊危険度と火災危険度の各々の順位を合算し、5段階にランク分けを行ったもの/2001年 第6回調査)では、本町5丁目が「危険度5」で65位、幡ヶ谷3丁目が「危険度4」で85位と上位100位に2つの丁目が入っています。
また、同じく都が公表した「地域別延焼危険度測定」(震災時に発生した火災が燃え広がる危険性を地域ごとに評価。0~9にランク分け/2012年 第8回調査)では、区内の41%の丁目が「延焼危険度4」以上。本町の2丁目、4~6丁目、幡ヶ谷3丁目は、「延焼危険度」・「消失危険度」とも「6ランク」となっており、耐震化・不燃化は待ったなしです。
●区独自で耐震対策強化
都は今年、「木密地域不燃化10年プロジェクト」として「不燃化推進特定整備地区(不燃化特区)制度(案)」を策定しました。しかし、木造住宅密集地域の耐震・不燃化対策予算182億円のうち約130億円は、住民を追い出して道路を通すための関連予算です。しかも最も重要な木造住宅の耐震化・不燃化・難燃化への助成の対象地域や助成額の拡充、新たな適用が不燃化特区にかぎられていることは、見すごすことができない問題です。また、このなかで、木造住宅耐震化助成は、わずか6億円にとどまっています。都の耐震対策を抜本的に強化する必要があります。
同時に、区としても独自に耐震化・不燃化を進めることは待ったなしです。
足立区では、独自に「不燃化地域」を指定し、老朽空き家の除去に対して、100万円を助成しています。
渋谷区でも、細かく「耐震化・不燃化地域」を指定し、耐震補強工事費助成の大幅拡充や老朽空き家除去費用助成制度などを実現して、お金がなくて耐震化が進まない事態を一刻も早く解決すべきです。
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東京都木密地域不燃化10年プロジェクト
「不燃化推進特定整備地区(不燃化特区)制度(案)」概要
<概要>
●基本方針
「特に改善を必要とする地区について」、「都が不燃化特区に指定し特別な支援を行う」。「平成32(2020)年までに整備地域の不燃化領域率を平均70%に引き上げ」る。
●不燃化特区の指定要件
1. 整備地域(面積要件の緩和)
整備地域に含まれる木密地域(町丁目単位)を最低単位として面積要件を設けない。地域危険度4以上又は不燃化領域率がおおむね60%未満の区域を目安とする。
2. 特定整備道路の沿道おおむね30mの範囲(延焼遮断の形成)
延焼遮断帯の形成に必要な特定整備路線の沿道おおむね30mの合理的な範囲とする。
3. 新たな防火規制以上の規制誘導
東京都建築安全条例に基づく「新たな防火規制」以上を導入していること又は導入のための手続きを進めていること。
※以上の(1又は2)の区域で、3の取り組みを行うことが必要
●都が講じる支援策(抜粋)
<基本的考え方>
①未接道地を種地とするなどの地域整備の仕組みづくりとして、「まちづくりの種地として未接道地を取得し、周辺住民を巻き込み安全な街へ」、②住民が抱える課題を解決し、不燃化へ踏み出せる環境づくりとして、「専門家による生活再建プランの提示、建替え助成の拡充による住民負担の軽減」
<支援項目>※不燃化特区内についてだけ適用
◉「まちづくりコンサルタント派遣」、「全戸訪問で住民のニーズ調査」、「専門家派遣で、権利関係を調整」、「まちづくりステーションの設置」など
◉「未接道敷地の先行取得支援」(区が取得する際の支援)」、「固定資産税・都市計画税の優遇」(建て替えについて)、「共同化建替え助成の要件緩和」、「戸建建替えの際の設計費助成」、「住民負担のない除去助成」(老朽建託物の除去費の全額助成)、etc.
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●社会保障改悪阻止へ総反撃を
麻生太郎副総理が、21日に開かれた政府の社会保障制度改革国民会議で、高齢者の終末期の高額医療費を問題にして「政府のお金でやってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、色々考えないと解決しない」との暴言に批判の声が広がっています。政府がその会議で打ち出したのが、4月からの生活保護の切り捨て、来年の介護保険の大改悪です。
渋谷区でも生活保護世帯の48%は高齢者世帯です。生活保護の改悪は、真面目に保険料を払い続けても月5万円程度にしかならない低年金に苦しむ高齢者や働きたくても働き口のない方の「命綱」を断ち切ることになります。介護保険の改悪は、利用したくても利用できない介護難民を拡大することになります。いずれも高齢者の尊厳を奪い、憲法25条の生存権を脅かすもので絶対に許されるものではありません。
「長寿を祝える社会」。だれもが考える当たり前ことですが、自公政権や麻生氏には、当たり前ではないようです。社会保障改悪に総反撃をして「当たり前」を取り戻しましょう。
by tanakamasayan
| 2013-01-25 00:00
| 田中まさや区政リポート