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日本共産党・渋谷区議会議員・田中まさやさんの活動を紹介、応援するブログです。 


by tanakamasayan
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No.122 餓死・孤立死を防ぐ最後のセーフティネット──必要な誰もが受けられる生活保護に

2012年8月24日号

 日本の相対的貧困率は16%と、アメリカに次いで世界第2位。(2009年、2011年政府発表)[※注] 非正規雇用や失業、低年金や無年金の増大など、雇用破壊や社会保障の切り捨てによって格差と貧困はますます拡大しています。
 一方、生活保護受給者は増えたとはいえ人口比でわずか1.6%とドイツ9.7%、フランス5.7%など諸外国に比べれば著しく低い状態です。
 本来は、生活保護が必要なのに受けられない世帯(漏給層)が急増し、札幌市白石区や立川市で発生した「餓死・貧困死」事件が相次ぐ事態になっています。
 とりわけ、猛暑の中で、生活保護が受けられないため、ライフラインも止められて、熱中症や場合によっては死に至るようなことは絶対に避けなければなりません。

[※注]
相対的貧困率は、国民を所得順に並べて、真ん中の順位(中位数)の人の半分以下しか所得がない人(貧困層)の比率を意味します。日本の場合、4人世帯の場合、月18万6千円未満で暮らす人の率。

●渋谷区でも貧困化が顕著
 渋谷区でも貧困化は顕著です。国保料の滞納世帯は3割を超え、窓口で全額自費負担が求められる「資格証」の交付は88件(4月1日現在)。区内の住民税非課税者は、2011年度推計で43,806人(全納税義務者の約26%)に達し、2007年比で7.7%も増えました。
 生活保護世帯も、2011年度で2,924人と増え続けていますが、受給者数は人口比1.5%程度、非課税世帯比でも6.6%にしか過ぎません。

●誰でも安心して生られる社会へ
 有名芸能人の母親の生活保護利用キャンペーンなど、「生活保護バッシング」が強化される中、政府は扶養義務履行の強化や就労誘導の強化や有期制度の導入など、生活保護費の10%削減を狙っています。しかし、いくら生活保護費を削減しても、貧困化を放置すれば、ますます「餓死・貧困死」は増え、国民の生存権は脅かされることになります。
 私も、多くの方を生活保護に結び付けてきましたが、圧倒的な方は、「仕事がない」、「年金がない(少ない)」、病気や高齢などで、真面目に生きようとしても生活が成り立たたないのです。
 政府の進める増税と社会保障・生活保護切り捨て、非正規雇用と低賃金を野放しにする格差と貧困の拡大路線にストップをかけ、安定した雇用と最低賃金の大幅引き上げ、低年金・無年金を解決するなど社会保障を充実することこそ解決の道です。
 渋谷区も、国保料、介護保険料の値上げを止め、減免制度の適用を拡大するなど、区民のくらしを守るべきです。

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●芸能人の母親は不正受給か?
 餓死・孤立死が社会問題となり、生活保護制度の適用拡大を求める声が強まる中、この声を抑え込むように、国会で自民党議員が著名芸能人の母親の「生活保護不正受給」問題を取り上げ、一部マスコミも大々的にキャンペーンを行いました。
 「不正受給」とされた理由は、芸能人の親に対する「扶養義務」です。しかし、親族の扶養は、ヨーロッパでは夫婦間と未成熟の子に対する親にのみ限定されています。生活保護法では、扶養は保護を受けるのに必要な条件(要件)でなく、福祉事務所と当事者間同士の話し合いと合意で行うとしています。
 生活保護法での扶養義務は、夫婦間や未成熟の子に対する親以外の「義務者がそのものの社会的地位にふさわしい生活を成り立たせるうえでなお余裕があれば援助する義務」にとどまるとしています。
 ですから有名芸能人の場合、不正受給ではなく、福祉事務所と当事者の話し合いで解決すべき問題なのです。自民党の質問に対して、厚生労働大臣が「扶養ができない証明義務を課すことを検討」などとしていることは、生活保護法を否定するもので許されません。
 餓死・孤立死を招く生活保護の適正化=しめつけ政策を止め、生活に困る人が誰でも安心して受けられるようにすることこそ、憲法25条の生存権を保障する道です。
by tanakamasayan | 2012-08-24 00:00 | 田中まさや区政リポート