No.117 子ども、保護者、住民無視の強行許されない—代々木小・山谷小の統廃合計画
2012年 07月 13日
渋谷区と教育委員会が、山谷小学校の建て替えを口実に、代々木小学校と山谷小学校の統廃合を強行しようとしていることが明らかになりました。(下掲参照)

山谷小は、耐震ランクがBランクで、わが党区議団も早急に耐震補強を行うよう求めてきました。
ところが区は、今年3月、突然、耐震補強は不可能として、建て替えを表明、今年度予算で設計費用を計上(平成27年2月竣工予定)。建て替え期間中は、山谷小の児童を代々木小へ転校させるとの方針を示していました。
保護者・地域から反対の声
この間、代々木小や山谷小で何度か保護者説明会が開かれてきましたが、保護者からは厳しい批判の声が上がっています。
山谷小は、なぜ耐震補強ができないのか、山谷小の現地で建て替えることはできないのか、他の施設の活用はできないのか、などの疑問の声。
代々木小学校は、小規模校で、100人の代々木小に230人の山谷小が転校して来れば教育環境が変わる。子どもたちが心配、などの不安や怒りの声が上がっていました。
しかも、6月30日の代々木小の保護者への説明会では、教育長から、代々木小と山谷小を統廃合して山谷小に新たな学校をつくることが示され、多くの保護者から厳しい批判が出されました。
区議会で追及
第二回定例区議会では、党区議団の代表質問で、
①山谷小の建て替えについては、子どもたちを犠牲にすべきでないこと
②建て替えについては、保護者、住民に情報公開し、
専門家や保護者も加えて、耐震補強工事も含めて再検討すること
③学校統廃合は行わないこと
の3点について、区長・教育長を追及しました。
区長は、「計画通り進める」と答弁。これは、発表してわずか5カ月で、保護者の反対を無視して強行した本町小、本町東小、本町中の統廃合による小中一貫校計画とまったく同じ姿勢です。
統廃合許すな
小学校は、子育て、地域のコミュニティ、防災の拠点です。子ども、保護者、地域の声を無視して、統廃合を強行することは許せません。
しかも、山谷小の耐震補強がなぜ不可能なのか、同規模の中央区明石小学校では校地を利用した建替えが行われているのに、なぜ山谷小では不可能なのか、まともに検討された形跡もありません。
トップダウンでの統廃合はキッパリ中止すべきです。
再び、子どもを傷つけるな
代々木小、山谷小の統廃合計画を目の当たりにして、3年前、本町小中一貫校建設計画が強行されたことを怒りとともに思い出します。
2008年10月、突然本町地域の二つの小学校と中学校を統廃合して、本町小中一貫校を建設する計画が発表され、翌年の4月には計画が実施されました。保護者が行ったアンケートでは、8割が「反対」、「延期」を求め、3月には区長、教育長に対して計画の「延期」を求める4300を超える署名を提出しましたが、これを無視して計画を強行しました。
この3年間、トップダウンによる学校統廃合・小中一貫教育校計画の強行によって、どれだけ多くの子どもや保護者が怒り、傷ついたでしょう。
今年4月に開校した本町小中一貫校では、小中学校を無理やり一つの学校にし、大規模化したために、放課後クラブの活動が制限されたり、チャイムは一日3回、校庭開放も行われないなど、さまざまな問題が明らかになっています。
これ以上、区のトップダウンによって、子どもの心を傷つけてはなりません。
